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ポータルにプレッシャー ネット大手は「大きさ」を有効活用できるか─フィナンシャル・タイムズ (1)

Yahooのテリー・セメル会長兼最高経営責任者(CEO)は最近、自社幹部による内部メール漏洩という憂き目に合わされたばかりだ。リークされたメールは、シリコンバレーでとっくにささやかれていたYahooの社内事情を表ざたにしてしまった。つまりYahooよりも身軽なライバルに対抗できるだけのスピードと明確なビジョンがYahooにはないことを、漏洩メールはあからさまにしてしまったのだ。
端的に言えば、「オンラインの世界ではあらゆるチャンスがどんどん展開しているのに、(Yahooは)その上に、ピーナツバターを薄く広くぬり伸ばしているに過ぎない」。漏洩メールの筆者、ブラッド・ガーリングハウス氏はこう書いた。ピーナツバターを薄く広くぬったその結果、「関連事業の全てに薄く広く投資をして、挙げ句の果てには、特にこれといった何にも力を集中していない」。断固とした行動をとらなければ、Yahooは「このままさらに坂道を転げ落ちてしまう」と言うのだ。

ピーナッツバターマニフェスト

ビジョンがないのはすごく思う。SBMの宣伝でも思うくらいだからいわんや親会社のビジョンなんて。。。

その2

しかし各ポータルのこれまでのやり口には、かなりムラがある。数え方によってはYahooの方がYouTubeよりも動画をたくさん配信しているのだが、世間の注目を集めたあのGoogleによるYouTube買収では、そのことは全く話題にならなかった。その一方で、ブログやSNSを提供するYahoo 360は、ブログやSNSに特化したライバル・サイトにはかなわないままだ。

これは、問題の核心部分に関わってくるポイントだ。あらゆる人にあらゆるサービスを提供しようとするポータルは、凡庸でお粗末なサイトに成り果てる危険を内包しているのだ。そしてユーザーに提供するサービスの幅が広くなればなるほど、この危険は大きくなる。

ひどいのは本当にひどいもんね。

その3

ポータルがやることのひとつは、自分たちが抱える幅広いサービスを、お荷物として扱うのではなく、大事な資産として扱うことだ。このために重要になるのは、複数サービスの統合。今は独立しているいくつかのサービスを組み合わせ、一般ユーザーの生活をより便利で快適にするよう、目指していくことだ。

たとえばGoogleは最近、検索とメールとオンライン書類作成サービスを融合させはじめている。情報を今までよりも簡単に探しやすく、まとめやすく、共有しやすくすることがその目的だとしたら、検索とメールとオンラインのワープロ機能はもっと上手に組み合わさる必要がある。Yahooのホロウィッツ氏によるとYahooは、ユーザーのスケジュール予定やIDパスワードといった重要な個人情報をうまく活用することで、ほかのサービスがもっとスムースにユーザーに届くようにしたいと考えているのだそうだ。

統合は確かに首肯できるけれど件のポータルサイトに個人情報の管理がきちんとこなせるのかはいまだに疑問。。。。

その4

ポータルにとって二つ目の検討課題は、出会いサービスやスポーツ、ファイナンスなど垂直型(バーティカル)なコンテンツを提供するポータル、つまり「ボータル」であることが、ポータルとしての信頼性とマッチするのかどうかだ。要するにユーザーは、ある特定分野の情報配信で業界1位を目指す会社が、ほかの分野についてもネット全体から幅広く中立的に情報を集約してこれるだろうかと、疑っているかもしれない。これぞまさに「ピーナツバターのジレンマ」だ。あらゆることを全て上手にやるのは、大変なことなのだ。

情報の正確さと提供の早さの実現と信頼性の両立。
そのためには?

ポータルにとって三つ目の戦略課題は、「プラットホーム化」。つまり、ほかのネット企業のビジネス基盤となるような技術拠点となることだ。プラットホーム化したポータルは、広告ネットワークや検索エンジンなどが中心となる(そしてポータルはすでに、検索や広告などの機能をMySpaceなどの企業に下請けに出している)。ネット大手は今後も、たくさんの観客・ユーザーを広告主に提供することで利益を得るという収益構造に頼り続けるだろうが、別に自社サービスを使った集客でなくてもかまわないということになる。それよりもむしろ、ポータルが提供した技術やサービスを使う他社メディアのサイトを通じても、集客ができる仕組みになっていくだろう。

となるわけですね。

まとめ

(1) 統合されたサービス、(2) 目的が明確なネットワーク、(3) 確かな技術プラットホーム──という、この3つの要素をうまく組み合わせ、その上で事業計画をたてれば、ポータルはポータルが進むべき道を進んでいくだろう。今やポータルは、自分たちが何をしたいのか、目的をはっきりするべき時にさしかかっている。いつまでもピーナツバターを薄く薄く塗り広げている場合ではないのだ。

のだ。

しかし、正しい戦略を選ぶことと、その戦略実行による目的達成の間には、実に大きな隔たりがある。

indeed。。。