4.48 サイコシス

全編にわたって原作者のサラ・ケインは叫んでいた。
自分がいるのはおかしい。それでも死にたいわけではない。生きたいんだと思うんだ。だけどどうしていいか、わからない。
できることならば消えてしまいたい、そうすればこのギャップも気にしないですむ。
けれ死にたいわけじゃない。どうしていいかわからない。
助けてくれ。この怒りはなんだ。怒りじゃない底なしの絶望だ。
4時48分に正気に戻る自分。そこにある絶望は何であろう。
生きたい、どうにかしたい。どうにかしなくちゃ。
この思いがこの作品を書き上げさせそして自らの人生にもピリオドを打たせた。
まだ動けるうちにどうにかしなくてはという思いが刺さる。

もしこの人が僕の友人だったとしたら
ということを考える。何かを伝えたい。けれど僕はどう言葉にすればいいのかわからない。

死んじゃダメだよ。ダメなんだよ。
本当に、お願いだから。

あなたも死にたくないからこれを書いたのじゃないの?
あなたを忘れたくないからこれを上演したい人たちが今でもいるんじゃないの?

死んじゃダメなんだって。