ひとかげ

読了。

吉本ばななさんが自らの作品「とかげ」を書き直した作品。
どうも僕は最近の吉本さん(海のふたとか)の方が好きみたいで
書き直された「ひとかげ」の方がすいすいと水が大地にしみこむように
入ってきた。

話の大枠は変わっていない。
けれどもその印象はよりやわらかく、深く感じ取れるようになって気がする。
もちろん、そこには自分が歳を重ねてきた結果ということもあるのだろうけれど
それは
いいことなんだと思う。

誰かと抱き合って、その鼓動を感じる。
何気ない一言が魔法のようにその関係を大きく変える合図になったりする。

そんな機微がすうーっと入ってくる。
大切なことは些細なことの中にたくさん隠れている。